どうやってポートフォリオを作ればいいかわからない。
Twitterを見ると自己紹介動画のポートフォリオが多いみたいだけど。。駆け出しでも案件が取れるポートフォリオの作り方を知りたい。
そんな初学者さん達のお悩みを解決します。
この記事でわかること
- ポートフォリオを作るにあたって気をつけること
- 刺さるポートフォリオを作るための考え方
- 刺さるポートフォリオの具体的な作り方
この記事の執筆者
営業も苦手だし、まずはポートフォリオを作ってTwitterやクラウドソーシングサービスから依頼が入るようにしたい。そう考えている初学者の方も多いのではないでしょうか。
とはいえ思考停止でポートフォリオを作っても案件を獲得することはおそらくできません。
なぜなら企業側に全く刺さらないからです。
そこで今回は「企業に刺さるポートフォリオの作り方」を「案件が取れないポートフォリオの特徴」と一緒に徹底的に解説します。
私も初めはどんなポートフォリオを作れば依頼が来るのかわかりませんでした。ですが試行錯誤した結果、営業なしで依頼が入るようになったり自分が案件を依頼する立場になったりと駆け出しの頃より知識が増えましたのでこの記事で余すことなくお伝えしていきます。
企業に刺さるポートフォリオとは
企業案件を獲得する上でポートフォリオは重要な役割をしめています。そして企業に刺さるポートフォリオを作成する上で最も重要な要素が以下の3つです。
- 視聴者の気持ちになって作っていること
- 幅広いテイストで作っていること
- 需要に合わせた動画を作っていること
それぞれ具体的に説明していきます。
①ポートフォリオは必ず視聴者ファーストを目指す
ポートフォリオを制作する際は単なる技術面のアピールだけでなくどれだけ見る人の気持ちを考えているかがとても重要です。なぜなら企業が依頼する動画は誰かに見せるためにあるからです。
こんな体験をしたことはありませんか?
とあるwebサービスを利用してみたいと思いサイトの説明テキストを見るもいまいち理解が深まらない。動画があったので視聴してみたところBGMが大きすぎてナレーションが聞き取りづらい。テンポも早くて全く頭に入らなかった。
初学者の時は自分の持っている全てをポートフォリオに詰め込もうとして視聴者を置いてけぼりにしてしまうことが多いです。動画クリエイターに一番必要なことは視聴者にストレスを与えず正確な情報を伝える力です。培ったスキルは正確な情報を伝える手段でしかないということを頭に入れておくことが重要です。
具体的に何に気をつければいいかわからないという人のために以下にチェックリストを記載しています。
これらを必ずチェックしよう!
- 誤字・脱字がないか
- 色や素材を多用してごちゃついてないか
- モーションやエフェクトのミスがないか
- 出てきた文字が読めるコマ尺をとっているか
- 世界観が滲み出る細部への作り込みがあるか
- 理解しやすいシナリオ構成ができているか
- BGMや効果音が不快な大きさでないか
- テンポが速すぎて負担を与えていないか
- 情報過多になってないか
- 内容とアニメーションがリンクしているか
- 機械音声で妥協してないか
- 余白が均等であるか
- オブジェクトが中心線に沿って均等に配置されているか
スキルを詰め込むことだけに意識がとらわれてしまい
- シナリオが支離滅裂で内容が伝わらない
- 無意味なモーションや効果音が多くて気が散る
- 誤字脱字があったりオブジェクトがズレていたりと小さなミスが多い
- 場面展開が早すぎて文字を追えない
といったポートフォリオをよく見かけます。
魅力的な世界観を生み出している作品、この人に任せたいと思われるような作品は言われなければ分からないような視聴者ファーストへのこだわりが深く追求されています。
相手に対するこだわりこそが自分に対するこだわりと捉えることでいいポートフォリオが生まれるはずです。
②ポートフォリオは広く深く作ろう
私が企業様から依頼を受ける際に必ず言われることが「制作物を拝見しご相談させていただきました」と言うお言葉です。
つまり企業側はポートフォリオを見てコンタクトを取るか否かを判断していることがほとんどです。あたりまえと言えばあたりまえですが、決して値段だけを見て即コンタクトとはならないという話です。
なので低料金を記載しててもそれだけで依頼が来ることはありませんし、逆に一か八か値段だけ高く設定していてもそれがスキルの信憑性に繋がることもありません。
もちろんある程度の料金相場やHPのクオリティや事業の信頼性も判断材料にはなるかと思いますがやはりポートフォリオの存在が大きいでしょう。
私もこれまでどなたかに案件をお願いしようと思った経緯が何度かありその時に「依頼側がどのような視点でポートフォリオを見るのか」という部分がある程度理解できたと思うのでそれをお伝えしていきます。
スキル(深さ)と引き出し(広さ)
結論から言いますと案件を依頼する際にポートフォリオで見る部分は「スキル(深さ)と引き出し(広さ)」です。
スキルの判断は
「この人がどんな表現を使ってどこまでの世界観を生み出せるスキルを持っているか」
引き出しの判断は
「いろんなテイストのパターンを再現できる人かどうか。作品の雰囲気が一辺倒じゃないか」
依頼主はここにそれぞれ着目します。
【スキルがある】+【要望やイメージを叶えてくれる引き出しを持っている】という2つがかけ合わさった時に初めて「この人に依頼してみたい」と考えます。
試しにココナラで動画クリエイターのポートフォリオと受注数を照らし合わせて貰えば分かるとおり、値段の安さで戦っていないクリエイターで、かつ案件を受注できている人のポートフォリオは必ずテイストの違うものを複数用意しています。
ポートフォリオは何個作ればいいの?
ではどれくらいのポートフォリオ数が必要かというと具体的には「それぞれ別の世界観でしっかりとした作品を3つ」これで充分です。
私もそれぞれ世界観の違うポートフォリオ3つで戦ってます。他制作実績も載せてますがまず目に留まる所に置いてるのは3つです。
例えば面接で「フランス語と英語と日本語が使えます」と言われたらめちゃくちゃ印象強いです。
一方、何も考えず似たり寄ったりのポートフォリオを3つ作りましたといってもそれは博多弁と関西弁と標準語が使えますと言ってるようなもので一括りにしてしまえば日本語、つまり1つだけの世界観です。
ポートフォリオの方向性について迷いがある方は「スキルがある」+「要望やイメージを叶えてくれる引き出しを持っている」この2つが伝わるような制作を意識して別々の世界観で本気のポートフォリオを3つ作ってみるとGoodです
③具体的なテーマの決め方
ポートフォリオと言っても何を作ればいいか分からない人も多いと思います。そこで動画の需要を一度確認しましょう。
- 無形サービスのPR動画
- 有形商品のPR動画
- 研修用動画
- 事業PR動画
細かく言えばもっとありますが主な需要はこの4つです。なら需要のあるこの中から3つ選んで作ればいいわけです。作ると言っても別に0から架空の商品を作り上げて動画を制作する必要はありません。
むしろ0から架空の商品を作り上げたところでその商品自体のコンセプトまで作り込む人はいないでしょうから結局自己満足に陥ってしまう可能性もあります。
なら既存の商品やサービスを参考にしてそれらの動画制作を実際に依頼されたという架空のシチュエーションで全力で作ってみるのがいいです。ちなみにそれぞれの方向性に沿った参考資料の探し方から制作までのコツがありますので私の作例も載せながら説明していきます。
無形サービス
▶︎士業や保険やwebサービスのHPを探して魅力的なサービスを見つける
▶︎HPのテキストや説明図をまとめて動画用のシナリオを書き起こす
▶︎サービス名やサービス内容をアレンジしポートフォリオを作る
有形商品
▶︎LPアーカイブやpinterestで有形商品のLPを見て魅力的な商品を探す
▶︎LPの世界観やイメージを分析し動画用のシナリオを書き起こす
▶︎内容をアレンジしその世界観を目指したポートフォリオを作る
研修用動画
▶︎国の助成金制度、失業保険のもらい方など行政機関のサービスを探す
▶︎その機関の新卒生に向けた研修動画として動画用のシナリオを書き起こす
▶︎誰でも分かるような完璧な構成を目指してポートフォリオを作る
事業PR動画
▶︎単純に自分の動画制作事業をPRする
商品コンセプトもおよそ適当な架空の商品を0から作ってもそれを使って魅力的なPR動画を制作することはなかなか大変です。
それなら世に出ている企業が練りに練った商品やサービスを参考に「実際にその商品・サービスのPR動画依頼を受けた」というシチュエーションで「この商品・サービスを2分でまとめるならどのような構成・表現・世界観が必要か」と考えながら動画を作った方がゴールが見えますし魅力的な作品が出来上がります。
またクラウドソーシングサービスに登録すれば募集案件を確認することができます。また募集案件には「参考動画を添付していますので似たテイストを作れる方を募集します」といった要項がよく記載されています。それこそが生の需要なのでぜひ参考にすることをおすすめします。
ポートフォリオ用に架空の商品・サービスを0から考える必要は必ずしもないので既存の良質な商品・サービスの依頼を受けたと仮定してポートフォリオを作ってみるのがGOODです。
ポートフォリオ作成で絶対にやってはいけないこと3選
①自己紹介動画
企業が自社の利益を上げるために動画制作の依頼先を探している状況で、いちクリエイターの生い立ちや自己紹介は必要な情報ではありません。
おそらく自身の人柄をアピールする考えや素性を明らかにする狙いがあるとは思います。
人柄がアピールされるのは
相談内容に対する的確な返答、読みやすい文章構成、レスの速度、相手の知識量を捉えた説明のうまさ、自主的な提案、納期の前倒し、細部の作り込みなどであり
そういった人と人とが交わる部分での全体的な配慮に基づくものですので生い立ちや人生経験のアピールはいわば不毛です。
Twitter上などで自分の人柄を認知してもらいたいとかならそのような自己紹介動画の作品を作って発信するのもいいと思いますが企業案件を獲得するためのポートフォリオとしてはいたって不向きです。
②第三者の作品のパクリ
全編通してであろうが一部であろうがシナリオのごく一部の文節であろうが制作者にも周りにもバレていないと思ってるのはパクった本人だけです。自分が0から作った他人と被りようがない表現をパクられて気づかない人はいません。デメリットはあってもメリットは一切ありません。
第三者の作品で参考になる表現や構成はあると思いますし、動画を数多く見て学ぶことがスキルをつちかう上で大切ではありますがクリエイター業は信頼関係で成り立っているのでリスクに手を染めるのはやめましょう。
③チュートリアルをポートフォリオとして扱う
これもパクリと変わりませんがそれよりも「チュートリアルをポートフォリオにしなければいけないほど実力も実績もない」と思われるだけです。
またシナリオや構成から制作しないといけないのが企業案件なので10秒程度のエフェクトを見せられたところで企業には一切刺さりません。意味のないことはやめましょう。
まとめ
①ポートフォリオは必ず視聴者ファースト
②ポートフォリオは世界観別に3つ
③ポートフォリオは既存の商品・サービスが出しているメディアをベースにアレンジを加えて動画化(パクリは❌)
クリエイター業はスキルも信頼も愚直な積み重ねが命です。それ以外に近道はありません。ぜひ企業案件に向けた魅力的なポートフォリオを制作されてくださいね。